2007年10月28日日曜日

やっぱり興奮!『正倉院展』

第59回『正倉院展』へ行ってきました。

毎年、この時期は、奈良倶楽部へお泊りのお客様も多く、
仕事で手いっぱいだと中々時間も取れずに、
観ることを諦めている年も多いのですが、今年は、
「特に絵画を表した宝物や文様表現の優れた宝物が多く出陳されている」らしく、
正倉院文様が大好きな私としては、
やっぱり見ておかなきゃ~!本物を~!!・・・ということで行ってきました!

そしてやっぱり素敵でした。
1250年以上も前の品々が、このような美しい状態で保存され残っているという事実にまず敬意を、
そしてこうして1250年もの間、脈々と次世代へ繋いでいくという意志や知性に、
日本人としての誇りを感じました。

やっぱり素晴らしいものは素晴らしいですね。

帰ってきてから、また図録を紐解いては
ほ~ほ~と、ため息まじりにうっとり魅入っております^^

図録から撮った写真ですが、私のお気に入りの展示物を少しここでアップいたします☆

まず、「羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)」


天平文化の薫りがする羊さんの図柄ですが、
シルクロード伝来のものではなく、れっきとした日本製の屏風です。
木の幹にも2匹のお猿さんが描かれていて何だかちょっとユーモラス☆


また、これは「う」という管楽器ですが、
こちらの下部の壺の部分にも豪華な文様が表されています。
 

音声ガイドを借りると、この「う」の音色が聞けますよ♪

それから、こちらの図様もパンフに取り上げられていて、
一体どういう物に描かれていたのか興味深々でした。


実は「墨絵弾弓(すみえのだんきゅう)」という細長~い弓の弓身に描かれた図柄なんです!
これはすごいです!
いっぱい描かれていて、楽しくって面白くって、ちょっと感動しました☆

 


「金銀平脱皮箱(きんぎんへいだつのかわばこ)」です。


 拡大図

中心の鳳凰文様のまわりの番いの鳥が、
二羽で一つの花枝を仲良くくわえていて、いい感じです。

 そのほかには、古裂残欠が多数出品されていました。
布に染められたり、織られたりした図柄が、どれもどれもかわいくて素敵で、
改めて正倉院文様の素晴らしさを認識しました。


最後に、今回の正倉院展での目玉展示物のひとつ、
パンフレットや図録の表紙にもなっている「紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)」。

これだけは是非見ておきたい!と楽しみに鑑賞しました。
写真で見た印象以上に小さく小ぶりでしたが、
紫檀や金や水晶を使った贅を凝らした細工の美しさに惚れ惚れ、
やっぱりすごいな~とため息まじりに観ておりました。





紫檀金鈿柄香炉の炉の脚の部分拡大写真です。
振り向いた姿の小さな獅子が何ともいえないくらいキュート!


すべて、図録から写真を撮ったので見にくい点はご容赦くださいね^^

『正倉院展』のくわしいご案内はこちらから。

今日のお昼過ぎで待ち時間、10~15分でした。
午前中開館と同時に行かれたお客様は、待ち時間30分とおっしゃってました。
全般的には、夕方3~4時ころの、団体さんが帰られた後がぐんと空くみたいです。
また、オータムレイトといって、閉館の1時間30分前以降に販売する当日券があります。
(販売は博物館当日券売場のみ)
1000円が700円になり、こちらはかなりお得です。
今日の人込み具合でささ~っと見て1時間~1時間半くらいでしたので、
これを利用しても十分鑑賞できそうに思いました。
また、館内も結構な人出のように感じましたが、
展示物に向き合ったら、そのような雑踏を忘れさせてくれるくらい、
至福の時間を過ごすことができました。(幸せ~♪)

小さなホテル奈良倶楽部

2007年10月22日月曜日

興福童子の秋祭り 籔内佐斗司の世界in興福寺

興福寺では只今 秋の秘仏特別公開中。

10/20(土)~11/25(日)

今回は、

興福寺本坊・大圓堂のご本尊・秘仏聖観音立像(重要文化財)が初めて公開されます。
そして大圓堂前庭において、彫刻家・籔内佐斗司氏の『興福童子の秋祭り』展も開催されています。

また国宝館では、普段4体の展示にとどまってる、阿修羅像などの八部衆が一堂に公開されます。

大圓堂は、毎朝のお勤めが行われているところだそうで、その前庭を使って、
籔内佐斗司さんが制作した「七福神童子」7体や、
阿修羅の弟のような「阿修羅童子」などが並んで籔内ワールド満開です☆

写真撮影禁止なのでパンフレットから撮ったものをアップしますね。
かわいい子供のような「興福童子」たち、平成の世の仏さまはとっても愛らしかったです。



ちなみに籔内佐斗司さんは、東京藝術大学大学院文化財保存学教授であり、
新薬師寺の「おたま地蔵」を、修理に出された仏像から見つけた方でもあります。



こちらもパンフレットから写したものですが、
今回初公開の 秘仏聖観音立像(重要文化財)はこのような美しい仏さまです。

ちょうど北円堂も特別開扉されていました。
(普段は一般公開されていません。)
会期:10/20~11/12


運慶作の弥勒仏坐像(国宝)や
無著・世親菩薩立像(国宝)など
鎌倉期の傑作が拝観できます。

 

東金堂と五重塔・・・遠く若草山を望む。



天平の秋空もこんなに美しかったことでしょうね。

小さなホテル奈良倶楽部

2007年10月21日日曜日

大仏池のほとりにて・・・

大仏殿の裏側にある大仏池のほとりでは、

これから紅葉のシーズン・・・
池のほとりの銀杏の金色と背景に大仏殿をのぞむ風景が、
まるで絵葉書みたいに美しく切り取られて
ついついシャッターを押す人たちでいっぱいになります。

今年は、夏が長かったせいか
色づき具合が遅れ気味のよう・・・

今日の大仏池の銀杏はまだこんな感じでした。



反対側から見るとこんな風 

奈良で一番最初に秋色に染まるところ
そんな大仏池のほとりに
素敵なお店がひっそりと・・・ 

 店内の様子です

「NATIVE WORKS.」

金・土・日・祝の週末だけの営業(11:00~20:00)ですが、
どことなく懐かしい感じの雰囲気のある店構えや
オーガニック素材や天然素材で丁寧につくられた洋服や雑貨達。
シンプルでお洒落な魅力のセレクトショップは
大仏殿周辺の自然いっぱいの場所にも不思議に溶け込んでいます。

大仏池から正倉院をぐるっと回って
正倉院北側の塀にも少しだけ秋の気配☆

 

小さなホテル奈良倶楽部

2007年10月15日月曜日

大仏さま秋のお祭り





今日10月15日は、天平15年に大仏造顕の詔が聖武天皇から出された記念すべき日です。

東大寺では「大仏さま 秋のお祭り」と題して 
盧舎那仏発願法要や献茶式や慶讃能の奉納が行われました。

町内会から今日一日限りの拝観券をいただきましたので、
大仏さまのおかげで奈良倶楽部もりっぱに頑張ってるよーとお礼を言いたくて、
秋晴れの気持ちいいお天気の中、てくてくお出かけいたしました。



大仏さま、こんにちは~☆お久しぶりです^^
これからも見守って下さいね!

 鏡池に設けられた舞楽台では慶讃能の奉納が行われていました。

鹿クンも見入ってます^^

 幡も秋空に映え美しい!

今日の奈良
とっても秋らしい好日でした。

小さなホテル奈良倶楽部

2007年10月8日月曜日

奈良豆比古神社の翁舞

奈良倶楽部から般若寺の方に歩いて20分、
奈良阪町にある奈良豆比古神社(ならづひこじんじゃ)では
今日10月8日(秋祭りの宵宮)の夜に
芸能史的に極めて貴重な「翁舞(おきなまい)」が奉納されます。


これは能楽の原典といわれ、
地元の翁講の人々によって口伝で伝えられて来た素朴で古風な舞です。
(奈良県の無形民俗文化財 です)

写真撮影OKだったので撮ってきた画像をアップします。
少しだけでも雰囲気を味わって下さいね。

 

夜8時から、演者は次々と神社拝殿に出て、本殿の神様に向かって拝礼をして着座していきます。

 皆さんが勢揃いされました。

一番最初は「千歳(せんざい)の舞」。千歳という男児(10~15歳)が一人で舞い、謡います。
中々堂々と舞い、見ていてもあぶなげないです。

 

次は「太夫(たゆう)の舞」 翁のお面をつけた太夫が最初は一人で舞い、

 

次に太夫と、同じく翁のお面をつけた脇(わき)二人の3人で舞う「翁三人の舞」

 翁達は神様の方を向いているので、後ろ向きの写真しか撮れませんでした^^

次に、三番叟(さんばそう)の前舞。お面なしでまず舞います。

 

そして「千歳と三番叟との問答」の舞です。

「翁舞」で特に古い形態を残しているのが、この千歳と三番叟との問答です。

三番叟が千歳に話しかけると千歳が正面を向き、千歳が三番叟に話しかけると三番叟が正面を向くという、互いに向かい合うことのない問答で、神に語るといった形式を取っています。

 

これは、「翁舞」独特の姿を示すものとして注目されています 。

最後が、面をつけた三番叟による後舞です。
かなり激しい動きで舞います。

 

そうして舞うこと50分あまり、最後はまた一人ずつ神様に拝礼して舞台を去っていきます。







翁舞は町内の「翁講・保存会」の人たちによって演じられています。

古くは、40戸ほどの翁講で伝承されてきましたが、
最近の少子高齢化で講中も減少の傾向にありますので、
後継者の養成と保存を図るべく努力されています。

演者(千歳・太夫・脇2人・三番叟)は、毎年9/21にその年の役が決められ、
9/23から一週間毎夜練習をして、10/4には神社拝殿で仕上げの予行をされます。

翁舞の詞は口伝えであり、舞いや演じ方も直伝であります。

神社には翁面をはじめ、多くの室町面が残っていて
奈良国立博物館で保存されていますが、

10月8日~10日は、境内の神社資料館で能・狂言の面の公開(10時~15時)をしています。

今日は翁舞が終わってから夜10時頃まで開けてくださっていたので
帰りに寄ってみました。

 

ぎりぎりの時間に行ったので、あまりいい位置から写真を撮れずに
ちょっと見にくいかもしれませんが、新米レポーターのご愛嬌ということで^^

帰りはのんびり夜道を歩いて帰りました。
家々の庭先から金木犀の香りが密やかに匂ってきて・・・

秋の夜、
そうそうこれは神様へのお祭りだったんだと再認識。

小さなホテル奈良倶楽部

2007年10月6日土曜日

金木犀通り

   

ある日突然
はっと金木犀の香りを感じたら、
その日が秋の始まりの日。


10月6日、
今年は今日から秋が始まりました☆

 


奈良倶楽部がある通り・・・・
細い道路を挟んでお家が20数軒ずつ並んでいます。
ほとんどの家の前庭には 金木犀が植えられていて・・・
        
私は密かに『金木犀通り』と名付けて、
秋の始めのこの季節、金木犀の匂いを胸いっぱい大きく吸い込んでいます。 



お隣の木犀は金も銀もあるめずらしい木ですよ。
小さなホテル奈良倶楽部