2010年3月31日水曜日

思い出したり思い出されたり*



今日で3月も終わり。
お水取りで始まるこの月は、
奈良倶楽部を始めた月でもあるので思い入れも大きいし、仕事の上でもとても忙しい月。

それにしてもよく働いている。ありがたいことに
本当に気持ち良く働けて濃密な時間を過ごさせていただいている。

長く続けていると、決まった季節にお越しいただくリピーターのお客さまも多く
特に3月と11月はそういう季節になるのだけれど
色々な場面でふっとこの人あの人と思い出すこともあって
そういう時に、人と接する仕事をしていてよかったぁと思ったりするのです。

今月は、心に残る出来事が幾つかあったのですが
お客さまとのそういうことを、いつもうまく言い表せられなくて
ここに書こうかどうしようか迷っているうちにそのままになってしまいます。

旅から帰ってまた思い出していただいてお手紙やメールをいただくことも嬉しいことです。
心の励みになる言葉をかけていただくと、それだけで楽しい元気をいただけるのですものね。

新婚旅行で泊まっていただいたお客さまにはちょっとしたサプライズプレゼントを。
すごく喜んでいただけた満面のかわいい笑顔を思い出すだけでも嬉しいです。

数年前に泊まった折に、ビニール傘を借りたからと先日わざわざ新しい傘を持ってきて下さったお客さま。
雨が降ったら時々奈良倶楽部を思い出して下さっていたのかな・・・。
思い出していただけるという、そういう気持ちが嬉しくて
きっと私も雨の日はこのことを思い出すでしょう。

・・・悲しいこともありました。
毎年お水取りに来て下さっていたお客さまの訃報を聞いたり・・・。
たまたま3月3日の桃の節句にご宿泊して下さった年があって
その日のご夕食は、奈良倶楽部には珍しく、お雛様にちなんだ和の献立にしたのを
とても気に入って下さって、それからは毎年3日に合わせてお休みを取ってお越しいただいていたのです。
昨年からB&Bにしましたので、もうお越しいただけないのかなぁと思っていたところでした。
ご冥福、心よりお祈り申し上げます。・・・きっと来年も再来年も3/3はHさんのことを思い出すことでしょう。

思い出したり思い出されたり。
旅先での一瞬の出会いですが、旅の思い出の一こまになれると嬉しいのです。
感謝とともに、また新しい月を迎えましょう。

トップの写真は3/11にいただいたお花。ありがとうございました。